インタビュー「こころに平和をくれるもの」多田諭史さん

Webサイト「ここは創造都市やまがた」掲載。取材とテキストと撮影を 那須ミノルが担当しました。
https://ccymgt.jp/stories/1317

創造都市的メディアなのだから、ごくふつうの市民一人ひとりのなかにあるクリエイティビティが表現できたらいいな、という気がしました。創造都市とはけっしてアートやデザインに関わるひとたちだけのものではなく、そこに生きている日常をたのしむ市民みんなのものだろうと思いました。

以前から、やまがたの街に生きる人の「おくゆかしさ」や「おだやかさ」はこの街のすばらしいところだと感じていました。世界はいまやずいぶん争いごとが起きて不穏なものになっているけれど、そうしたものとは対照的な空気がある。「おくゆかしさ」は敵を生まない。たいせつな美徳であり知恵だと思いました。というわけで、この「おくゆかしさ」や「おだやかさ」を中心テーマに据えた市民インタビュー、を構想しました。おだやかに生きることのなかに、市民の創意工夫とクリエイティビティが潜んでいるのではないか。おだやかさを持ったひとに、そのおだやかさをもたらしているものについてお聞きしようと思いました。

そんなわけですから、ご登場いただいたみなさんは、たしかにおだやかそうです。けれど、おだやかな表情をしながら、じぶんたちの平穏な日々をしっかりと守りぬく、というのはじつは並大抵のことではありません。この人たちには案外だれよりももがいたり苦悩したりしてきた面もあるのではないか、という気もしています。

第2回に登場してくださった多田さんは不思議なちからを持っていて、個性的ですばらしい飲み屋のマスターに気に入られるというユニークな特性をお持ちです。わたしの目に映る彼の姿は、けっしてコミュニケーション能力がものすごく高いという印象ではありません。声はちいさめだし、たくさんしゃべるわけでもなく、自己主張もつよくない。けれど、個性の強い年長者のマスターたちにとにかく信頼されているその信頼のされかたはすごいものです。おそらく、「コミュニケーション能力が高いわけでないことによって他者からの信頼を得て、他者とのゆたかなコミュニケーションを築き上げている」という高度な技術を自然に獲得したのではないだろうかか、と勝手に推察しています。

ずいぶん勝手なことばかり述べました。多田さん、ごめんなさい。
というわけで、みなさん、ぜひ記事を読んでみてください。

Text 那須ミノル